耐震性能が高い注文住宅を建てたい!デメリットはある?

公開日:2022/03/01   最終更新日:2022/03/15


昨今、大きな地震や台風などの自然災害が増えています。そのため、注文住宅を建てるなら耐震性能の優れた住宅がおすすめです。安心ができる他に地震保険料が安くなるなどのメリットがあります。しかし少なからずデメリットもあるのです。今回は耐震性能について紹介するので、ぜひ参考にしてください。

耐震等級を上げるメリット

そもそも耐震等級とは、強さや強度の耐震性能をランク付けしたものです。耐震等級は3つのランクに分けられます。基本的な耐震レベルは耐震等級1です。

耐震等級1

建築基準法を満たす一般的な戸建住宅を指します。震度5の地震では建物がほとんど倒壊しません。しかし震度6以上の地震が起きた場合、住宅が損傷し補修が必要になります。

耐震等級2

学校や病院などと同じぐらいの強さをもつ住宅を指します。耐震等級1で想定される1.25倍の地震が起きても耐えられるレベルです。長期優良住宅に認定するためには耐震等級2以上が必要です。

耐震等級3

消防署や学校などと同じぐらいの強さをもつ住宅を指します。耐震等級2で想定される1.5倍の地震が起きても耐えられるレベルです。耐震等級3がもっともレベルの高い等級であり、耐震等級が上がれば上がるほど強い地震にも耐えられます。もちろん耐震等級が上がれば安全性も高くなりますが、他にもメリットがあります。

地震保険料が安くなる

家を建てる時に多くの人が加入する地震保険ですが、耐震等級によって割引が違うようです。耐震等級3は50%、耐震等級230%、耐震等級110%と割引が適用されます。昨今、地震や自然災害のリスクが高まっていることから地震保険料が上がるかもしれません。毎月支払うものなので、割引を活用して保険料を抑えるのは大きなメリットです。

住宅性能証明書が発行される

住宅性能証明書は質の高い家であることを証明します。「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」を利用したいときに住宅性能証明書が必要です。家を建てる際、父母や祖父母などの直系尊属から必要な資金として贈与金を受け取った場合、非課税限度額までであれば贈与金が非課税になります。住宅性能証明書を取得するには耐震等級2以上でないといけません。

耐震等級を上げることでできてしまうデメリット

耐震等級を上げることはメリットだけでなくデメリットもあります。デメリットもみていきましょう。

コストがかかる

耐力壁や耐震金物など、耐震性能を上げるものを設置すると、コストもかかります。40坪の家で耐震等級3にする場合、耐力壁で2530万円、構造材で20万〜25万円です。さらに耐震等級の評価を受けるときにも1020万円程度の費用が発生します。

検討が難しい

耐震等級1であれば建築基準法や品格法で定められた基準のレベルが高くないため、家も建てやすいです。しかし耐震等級23は法律の基準が厳しく検討方法が困難となります。

希望の間取りにならない

とくに1階の間取りは厳しい条件が定められているので、窓をあまり取り付けられず暗い雰囲気になります。また、壁を増やしたり柱を太くしたりするなどの制約も出てくるようです。

「耐震住宅」にするのも結構大変?

耐震住宅は地震があったとき、住宅を支える骨組みが損傷、倒壊しても耐えている住宅を指します。地震以外にも自然災害でも同じように耐えてくれます。耐震住宅と聞くと、安心感があり地震が起きても大丈夫と思ってしまうようです。もちろん耐震住宅にするメリットはいくつかあります。残念ながらデメリットもあります。まずはメリットから確認しましょう。

費用を抑えられ工期が短い

建築基準法に従い建てられるため低コストで費用を抑えられます。追加費用もほとんどかからず、工期も短いです。地震対策は耐震だけでなく免震や制震もあります。免震や制震だと数十万〜数百万円の費用がかかり、工期も長くなってしまいます。

自由に住宅設計ができる

耐震住宅であれば地下室の設置も可能です。建物の倒壊や家具の破損を防ぐ免震性能の住宅であれば地下室は設置できません。

台風に強い

台風による揺れにも耐震住宅はほとんど耐えられます。地震対策だけでなく台風の多い地域にもおすすめです。次に耐震住宅のデメリットを紹介します。

揺れを感じやすい

地震の揺れがダイレクトに伝わり感じやすくなるため、家具が倒壊し怪我をする危険が高いです。

住宅の劣化が早くなる

大きな揺れが起きた場合、壁などにヒビが入り住宅の劣化が早くなるかもしれません。さらに繰り返す地震のダメージも受けやすく、修繕費がかかります。

二次被害のリスク

揺れを感じやすいため家具が倒壊しやすいです。家具の下敷きになることも考えられるため、家具の耐震強化を考えましょう。

専門家と相談しながら丈夫な家を手に入れよう

地震対策には耐震、免震、制震の3つの方法があります。耐震は揺れに耐え、免震は揺れを伝えない、制震は揺れを吸収するといった特徴があります。また、耐震は家具の倒壊の危険がもっとも高いですが、免震であれば家具の倒壊はありません。建物の階が上がれば揺れは強くなりますが、制震だと揺れを小さくしてくれます。

昨今、注目されているのは免震です。免震は震度6の地震にも揺れはほとんどなく、家具や食器の倒壊・破損もありません。優れた性能な分、コストは300万円以上かかり定期的なメンテナンスも必要となります。また施工できる業者も限られています。丈夫な家を手にするためには、複数の耐震に詳しい専門家と相談することが大切です。優良な専門家は過去の耐震データを基に丁寧に説明をしてくれます。

まとめ

耐震等級はあくまでも目安です。耐震等級が高いから地震や災害が来ても安全だと思ってしまいそうですが、必ずしも耐えられるとは限りません。しかし地震に備えることで、家族が安心して生活できます。さらに耐震等級2以上だと地震保険料の割引や住宅証明書の発行などのメリットもあります。地震対策の耐震、免震、制震、それぞれの特徴を把握し、耐震に強い希望とする家を手に入れましょう。

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