注文住宅にありがちなトラブル…。トラブルを防ぐためにはどうする?
注文住宅の建設は、完成までにさまざまな業者が関わります。そのため、コミュニケーション不足や施工ミスによって思わぬトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。そこで、後悔のない注文住宅を完成させるために、トラブル事例や対処法を知っておくことが大切です。本記事では、注文住宅にありがちなトラブルや防止策について解説します。
施工ミスや設備の不具合
注文住宅は、建売住宅とは異なり間取りやデザイン、採用する設備などのあらゆる要素を施主の希望に応じて一から決めることができます。そのため、注文住宅を購入する方は夢のマイホームを実現すべく、家づくりに熱い思いを持って注力する方が多い傾向にあります。
また、建売住宅と注文住宅は他にも異なるポイントがあります。たとえば、建売住宅では完成した住宅を見た上で購入できるのに対し、注文住宅は図面でプランニングを行い、施工が完了してから実際の住宅を見ることができます。つまり、注文住宅と建売住宅は、同じ住宅の購入であっても、完成までの工程が大きくことなるのです。
そして、注文住宅は施工状況を住宅の完成後にしか確認できない、プランニングが図面でしか行われないことから、施工ミスや設備の不具合に関するトラブルが発生しやすくなっています。実際に、住宅の種類別でトラブルの発生件数を統計化したデータでは、注文住宅は建売住宅と比較して4.7倍もトラブルの発生件数が多いというデータが出ているのです。
さらに、注文住宅に関するトラブルの中で最も大きな割合を占めている事例が、補修に関する問題となっています。補修に関する問題とは、建具の変形や外壁塗装のはがれ、基礎や外壁のヒビ、雨漏りといった施工段階で発生するトラブルのことです。また、図面で打ち合わせしていた内容と完成した住宅が異なるということも発生しやすいトラブルとなっています。
さらに、施工ミスや設備の不具合は、入居後に発覚するとどの段階で発生したミスか判断しにくく、誰が責任をとるかが不明確になる危険性があります。そのため、施工段階でこまめに工事状況を確認したり、施主チェックを入念に行ったりすることで、なるべく早くトラブルを発見することが重要です。
施工費用や追加費用などの金銭問題
注文住宅の建設では、施工ミスや設備の不具合によるトラブルが発生しやすい傾向にありますが、その他にもさまざまなトラブル事例があります。たとえば、施工費用や追加費用といった金銭問題も起こりやすいトラブルとして挙げられます。
まず、注文住宅の購入では、契約を取るために各業者が顧客に対して値引きを行うケースがほとんどです。そして、担当者は契約を取るために無理に値引きを行い、顧客に相談せず施工人数を減らすなど品質を落としてしまうことがあるのです。
顧客は、理想の住宅をできるだけ安く購入したいと考えているため、値引きに尽力してくれた業者と契約したいと考えるものです。しかし、値引きに注力するあまり、施工の品質を落としている危険性があるため契約時に慎重に確認することをおすすめします。
次に、追加費用に関するトラブルも注文住宅では発生しがちな問題です。注文住宅では、施工中に追加工事を業者から提案されることがあります。
そして、事情を理解しないまま、追加工事に同意するとトラブルになりかねません。本当に必要な追加工事なのか、追加工事にかかる費用はどのくらいかといった点を入念に確認し、納得した上で追加工事を依頼することが大切です。
近隣トラブル
注文住宅の建設では、近隣住民とのトラブルにも注意しておく必要があります。施工段階で近隣住民とトラブルになってしまうと、入居後の生活にも影響してしまうからです。
そして、最も起こりがちな近隣住民とのトラブルは、工事の騒音によって近隣住民がストレスを感じ、クレームになるというケースです。そこで、工事が開始される前に住民の方へ挨拶を行い、工事期間などを説明しておくことがおすすめです。
また、施工業者の工事車両が道路を塞ぎ、近隣住民へ迷惑をかけてしまうこともあります。そのため、工事期間中はこまめに現場に訪れ、施主も積極的に現場を確認しておくことが大切です。
そして、万が一、近隣住民からクレームが発生してしまった場合は、速やかに状況を確認し、対処法について業者と相談した上で謝罪を行くことが重要です。つまり、注文住宅の建設にはさまざまなトラブルに巻き込まれるリスクがあることを理解し、トラブルが発生しても問題のないよう対処法について考えておくことが必要なのです。
注文住宅は、建売住宅よりもトラブル発生件数が多いというデータがあります。そして、注文住宅に関するさまざまなトラブルの中で、施工ミスや設備の不具合が最も発生しやすいトラブルとなっています。その他にも、金銭問題や近隣住民とのトラブルもありがちなトラブルです。そこで、注文住宅を購入する際は、トラブルに巻き込まれるリスクについて理解し、トラブルが発生しても問題のないよう対処法について考えておくことが大切です。